ココロやわらかフォーラム「児童養護施設ってどんなところ?」

2018年12月1日(土)

 

「過去は変えられない。でも過去の意味は変えられる」

 

札幌教育文化会館研修室に言葉が響きました。

その言葉にどれだけの人が心打たれたことでしょう。

社会福祉法人北翔会総合・札幌すぎな園統括施設長

公益社団法人鉄道弘済会児童養護施設札幌南藻園 参与

 

【大場信一】先生が参加者の方々に語りかけました。

 

 

 

 

 

 

 

児童養護施設とは様々な理由で保護者がいなかったり、

保護者の適切な養育を受けられない子ども達を公的責任で

保護・養育するとともに、これらの家庭を支援する仕組み

として位置付けられています。

 

厚生労働省の入所理由の調査では

「父母の虐待・酷使」

「父母の放任・怠惰」

「父母の精神疾患」が多く、

「父母の就労」

「父母の行方不明」

「父母の入院」などが主な理由になっています。

近年では、「虐待」の占める割合が多くなっています。

 

「自分なんか生まれてこなければよかったんだ」

 

被虐待児の多くは自分を認めてあげることができないと言います。

 

大場先生はそんな思いに駆られている子ども達が

「生まれてきてよかった(過去)」

「ここにいることが安全で安心なんだ(現在)」

「これから生きていくことに希望が持てる(未来)」

と思えるように自分を肯定的に捉えていけるような

働きかけが大切だとおっしゃいました。

 

どんな状況にいたとしても「施設に入りたい」と

思っている子はいない。

 

そんな現実を知りました。

 

体験談を語ってくれたサバイバー【池田貴彦】さんの話は

多くの方が涙しました。

 

 

 

 

 

 

 

池田さんが継母から受けた虐待は想像を絶するものでした。

 

その内容に多くの方が、人はここまで酷いことを子どもに

出来るものなのだろうか、と思ったのではないでしょうか。

 

池田さんの一言一言が私たちに何が出来るかを考えさせてくれました。

 

「当時、この生活が普通ではないと感じなかった」

 

「学校から帰って家に誰もいない寂しさ。

 夜の一人ぼっちの寂しい時間に慣れることはなかった」

 

その言葉が深く心に刻まれました。

 

にじプレは

 

「どんな環境下に生まれようとも、すべての子ども達が

 平等に愛され健やかに育っていくことができる社会」

 

を目指し、自分の住む地域の大人たちが子ども達の育ちを見守る

地域コミュニティーを作っていきたいと思っています。

 

虐待など、様々な困りごとを抱えた子どもたちは特別な場所にいるわけでは

ありません。

自分の住む地域にいるのです。

 

フォーラムの最後に大場先生は子ども達の「自立」について

話されました。

 

自立とは子どもが60歳になった時にわかるかもしれない。

自立とは答えがないのです。

目の前の子どもが困った時に名前を浮かべられる個人になるか、

団体になるかが大切です。

子どもとの関係をいかにつくっていけるか。

それが子どもにとっての自立につながるのです。

 

池田さんは居場所について言いました。

 

頼れるところがあるのだと子どもの頃の自分が知っていれば、

自分が歩んだ道は違っていた可能性がある。

出会った人の熱さがあれば…きっと。

にじプレが歩んでいる道はきっと間違いではない。

 

そして、私たちが思い描く社会を多くの人達に伝えていきたい。

 

お二人の講演と体験談から強く思いました。

 

フォーラムに参加してくださった皆さん、ありがとうございました。

来年もまた<ココロやわらかフォーラム>でお会いしましょう。

 

安田

 

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などすべての事業を集約できる拠点を持ちたいと思っています。

みなさんと共にその場所を作りあげたいと思っています。

そして…その場所が生活の場シェアハウスとなるように

歩んでいきます。

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